【2026年最新版】年収の壁を税金・社会保険別にわかりやすく解説
2026.07.31
パートやアルバイトとして働く際に、税金や社会保険に関わる「年収の壁」が気になる人も多いのではないでしょうか?
自分に合った働き方を賢く選ぶためには、年収の壁の詳細を事前にしっかり把握しておくことが大切です。そこでこの記事では、税金・社会保険に関わる年収の壁の詳細や、目的別の働き方などを詳しく紹介します。令和8年度税制改正の内容をベースに、最新情報を取り上げているのでぜひチェックして下さい!
・「年収の壁」とは、税金や社会保険料の負担が増えて手取り額に影響が出るボーダーラインのこと
・税金に関わる年収の壁には、119万円の壁や136万円の壁などがある
・社会保険に関わる年収の壁には、106万円の壁や130万円の壁などがある
・就業調整をすれば、年収の壁を意識しつつ自分の目的に合った働き方を実現できる
- そもそも「年収の壁」とは?
- 税金・社会保険における年収の壁の一覧表
- 税金に関わる年収の壁
- - 約119万円の壁(住民税)
- - 136万円の壁(配偶者控除・扶養控除)
- - 159万円・197万円の壁(特定親族特別控除)
- - 169万円・207万円の壁(配偶者特別控除)
- - 178万円の壁(所得税)
- 社会保険に関わる年収の壁
- - 106万円の壁
- - 130万円の壁
- - 150万円の壁
- - 180万円の壁
- 年収いくらまで働けばいい?目的別の働き方
- - 扶養内でコストを抑えながら働きたい場合
- - 扶養外で少しでも多く稼ぎたい場合
- 年収の壁を意識して働くならシフト管理アプリの活用がおすすめ
- 年収の壁に関するよくある質問
- - 扶養に入るメリット・デメリットは?
- - 今後も制度の見直しが実施される可能性はある?
- - 年収の壁や制度に関する相談はどこでできる?
- 年収の壁を理解して適切な就業調整を行おう!
そもそも「年収の壁」とは?
年収の壁とは、アルバイトやパートで働く人が一定の収入を超えることにより税金や社会保険料の負担が増え、手取り額に影響が出る収入のボーダーラインのことです。
年収の壁が存在することで、一定の金額を超えて働くと収入が増えない、もしくは減ってしまうという事態が発生します。そのため、労働者は労働時間の調整が必要になり、「働きたいのにこれ以上働けない」という状況になります。使用者側にとっては、人材不足につながるなどの問題があると指摘されてきました。
年収の壁は、税金に関わるものと社会保険に関わるものの2種類に分けられます。
税金・社会保険における年収の壁の一覧表
まず、年収の壁の全体像をつかむために、税金・社会保険における年収の壁の一覧表を紹介します。
| 種類 | 年収の壁 | 内容 |
|---|---|---|
| 税金 | 約119万円の壁 | 住民税(所得割)の非課税ライン |
| 136万円の壁 | 配偶者控除・扶養控除適用の上限ライン | |
| 159万円・197万円の壁 | 特定親族特別控除において満額受けられるラインと、全く受けられなくなるライン | |
| 169万円・207万円の壁 | 配偶者特別控除において満額受けられるラインと、全く受けられなくなるライン | |
| 178万円の壁 | 所得税の非課税ライン | |
| 社会保険 | 106万円の壁 | 勤務先の社会保険に加入するボーダーライン |
| 130万円の壁 | 配偶者の社会保険の扶養から外れるボーダーライン(19歳以上23歳未満、60歳以上や障害者を除く) | |
| 150万円の壁 | 19歳以上23歳未満が、親の社会保険に入れるボーダーライン | |
| 180万円の壁 | 60歳以上と障害者が配偶者の扶養に入れるボーダーライン |
税金に関わる年収の壁
ここからは、それぞれの壁について具体的な内容を解説します。まずこの段落では、税金に関わる年収の壁を一つずつ見てみましょう。なお、金額は給与収入ベースで解説しており、令和8年度税制改正における現時点の情報を記載しています(令和8年6月時点)。
約119万円の壁(住民税)
住民税(所得割)については、年収119万円が課税されるボーダーラインで、「119万円の壁」と言います。これは、特例により令和8年中・令和9年中の2年間に適用され、令和9年度分および令和10年度分に該当します(119万円の壁は特例を反映した金額であり、特例廃止以降は壁の金額が変わるので注意しましょう)。
令和8年度税制改正では住民税の基礎控除の引き上げは行われませんでしたが、給与所得控除の最低保障額が引き上げられた結果、住民税の非課税ラインにも影響が及んでいます。
自治体によって細かい基準は異なるため、詳細はお住まいの自治体で確認して下さい。
136万円の壁(配偶者控除・扶養控除)
「136万円の壁」は、所得税法上の配偶者控除・扶養控除が受けられるかどうかのラインです。令和7年の税制改正で123万円に引き上げられましたが、令和8年の改正により136万円とさらに引き上げられました。
配偶者控除と扶養控除は、一定の条件を満たした場合に控除が受けられる制度です。配偶者控除は配偶者の所得が一定金額以下の場合、扶養控除は配偶者以外の親族を養っている場合に受けられます。
159万円・197万円の壁(特定親族特別控除)
「159万円の壁」は、特定親族特別控除において満額(63万円)を受けられるラインです。159万円の壁を超えても控除は適用されますが、収入が増えると控除額は少なくなります。197万円を超えると控除は受けられないため、「197万円の壁」も存在しています。
特定親族特別控除は、特定親族(生計を共にする19歳以上23歳未満の親族などで、かつ合計所得金額が一定金額以下(62万円超123万円以下)で控除対象扶養親族に該当しない者)がいる場合に一定の控除を受けられる制度です。特定親族特別控除は、令和7年度税制改正により新たに創設されました。
169万円・207万円の壁(配偶者特別控除)
「169万円の壁」とは、配偶者特別控除において満額を受けられるラインのことです。「207万円の壁」とは、配偶者特別控除を受けられなくなるラインを指しています。
配偶者特別控除は、配偶者控除の対象から外れた際に、一定の条件を満たしていれば適用される制度です。169万円の壁を超えると収入が増えるにつれて控除額が減少していき、207万円の壁を超えると配偶者特別控除は適用されなくなります。
178万円の壁(所得税)
「178万円の壁」とは、所得税が非課税になるラインのことです。令和8年度の税制改正大綱により、課税最低限の目安が178万円へと引き上げられることが示されました。
これは一時的な措置で、令和8年分および令和9年分の所得税に適用されます。令和10年分以降は、上乗せ特例の扱いや物価連動による見直しによって金額が変わる可能性があるため、今後の税制改正の動向を確認することが大切です。
社会保険に関わる年収の壁
次に、社会保険に関わる年収の壁について一つずつ説明します。
106万円の壁
「106万円の壁」とは、パート・アルバイトなどの短時間労働者が勤務先の社会保険に加入するかどうかのボーダーラインを指しています。106万円の壁を超え、かつその他の社会保険加入の要件を満たすことで勤務先の社会保険への加入義務が発生し、厚生年金・健康保険料が給与から天引きされます。
月収で換算すると、月8.8万円働くと年収が106万円となり、この壁に直面します。ただし、令和8年10月以降は「月8.8万円以上」という収入要件が撤廃される予定となっています。
130万円の壁
「130万円の壁」は、社会保険の扶養から外れるボーダーラインのことです。これは、19歳以上23歳未満や、60歳以上・障害者を除く一般的な壁です。社会保険の扶養から外れると、自分で国民健康保険・国民年金に加入して保険料を支払わなければなりません。条件を満たせば勤務先の社会保険に加入できる可能性もありますが、こちらも労使折半での保険料の負担が発生します。
「130万円の壁」は契約上の基本収入で判定されますが、一時的に130万円の壁を超えた場合の措置として政府の「支援強化パッケージ」があります。これにより、一時的に130万円の壁を超えても、事業主側の証明があれば扶養に入り続けられるケースもあります。
150万円の壁
「150万円の壁」は、19歳以上23歳未満(大学生年代)が親の社会保険に入れるボーダーラインのことです。150万円以上になると国民健康保険への加入義務などが発生し、保険料負担が発生します。
以前は「130万円の壁」でしたが、令和7年度税制改正を踏まえた健康保険の被扶養者認定基準の見直し(令和7年10月施行)により、収入要件が「年間収入150万円未満」に引き上げられています。
180万円の壁
60歳以上の人または障害者は、年収が180万円未満であれば配偶者の社会保険の扶養に入れます。180万円以上になると扶養から外れるため、これを「180万円の壁」と呼んでいます。
注意したい点は、収入には年金なども含まれることです。パートやアルバイトで得た収入以外に、基本給以外の老齢基礎年金や老齢厚生年金なども含まれるので注意しましょう。
年収いくらまで働けばいい?目的別の働き方
年収の壁をたくさん見てきましたが、これほどたくさん年収の壁があると「一体どのくらい働けば良いのか分からない」と混乱してしまうかもしれません。どの年収の壁を気にしながら働けば良いかは、年齢や配偶者の収入など状況により異なります。
大切なのは、壁の金額だけにとらわれず、自分や家族の状況、家計、将来の働き方などを踏まえて選ぶことです。ここからは、扶養内で働きたい場合と多く稼ぎたい場合の2種類に分けて、それぞれにおすすめの働き方を紹介します。
扶養内でコストを抑えながら働きたい場合
配偶者や親の扶養内でなるべくコストを抑えながら働きたい場合は、年収130万円未満に抑えるのがベストだと考えられます。
扶養内で働きたい場合は、社会保険の壁を意識しながら働くことが大切です。年収130万円未満なら、所得税の配偶者控除や扶養控除を受けることができ、扶養に入れる可能性があります。
19歳以上23歳未満の大学生世代については、令和7年よりこの基準が150万円に引き上げられているので、150万円未満であれば扶養内で働けます。
扶養外で少しでも多く稼ぎたい場合
扶養外で少しでも多く稼ぎたい場合は、働き損にならないように意識して調整することが必要です。
例えば、年収130万円をわずかに超えた場合、原則として社会保険料の負担が発生するため、手取り額が思ったほど増えません。場合によっては、扶養内で働いていた時よりも手取りが少なくなることさえあります。そのため、扶養を外れるのであれば中途半端に超えるのではなく、社会保険料の負担をカバーできる年収150万円以上を目指すのが理想的です。
学生の場合は、年収150万円未満であれば、一定の条件を満たせば親の社会保険上の扶養に入れる可能性があります。そのため、扶養を維持しながらできるだけ多く働きたい場合は、まず150万円未満を目安にするのがおすすめです。さらに収入を増やしたい場合は、159万円を超えると親の控除額が段階的に減る点や、社会保険の要件も踏まえて働き方を検討するのがおすすめです。
年収の壁を意識して働くならシフト管理アプリの活用がおすすめ
年収の壁を意識しつつ、自分の目的に合った働き方を実現するためには就業調整が必要になります。就業調整とは、税金や社会保険の負担が増えないように、意図的に働く時間や収入を調整することです。
就業調整は、勤務先のシフトを見て自分で管理することも可能ですが、紙やメモの管理では非効率なだけでなく手間もかかります。そのため、自動で給料計算やスケジュール管理ができるシフト管理アプリの活用がおすすめです!
「シフト手帳byGMO」は、自動で給料計算が完了する便利なシフト管理・給料計算アプリです。シフトを入力するだけで、残業代などややこしい給与計算もスムーズに行ってくれます。給与計算の結果はグラフで見える化されるので、状況把握がしやすいのもメリットです。
さらに、新機能の「扶養の壁診断」により、質問に答えるだけで自分に関係する扶養の壁を簡単に確認できます。扶養範囲を意識した働き方を実現させたい人や、スムーズにシフト調整をしたい人は、ぜひ活用してみて下さい!
年収の壁に関するよくある質問
最後に、年収の壁に関するよくある質問に回答します。
扶養に入るメリット・デメリットは?
扶養に入るメリットは、社会保険料の負担を軽減できることと、扶養する側も税金が安くなることです。
デメリットは、収入やキャリア形成に制限をかけなければならないことです。収入が制限されることで、細かな就業調整が必要になることも考慮に入れましょう。
今後も制度の見直しが実施される可能性はある?
今後も制度の見直しが実施される可能性はあります。
近年は、物価上昇や最低賃金の引き上げ、働き方の多様化などを背景に、所得税や扶養控除に関する基準額の改正が頻繁に行われています。今後も経済状況や社会保障制度の変化に応じて、各種の年収基準や制度内容が見直される可能性があるでしょう。
働き方や収入計画を考える際は、国税庁や厚生労働省、自治体などが公表する最新情報を定期的に確認することが大切です。
年収の壁や制度に関する相談はどこでできる?
年収の壁や制度について相談したい場合は、国(厚生労働省)が設置している「年収の壁突破・総合相談窓口」を利用すると良いでしょう。この窓口では、年収の壁に関する制度の概要や、働き方に応じた対応について相談できます。
実際に就業調整を行う場合は、勤務先の担当者と十分に話し合うことも重要です。社会保険の加入条件やシフトの組み方は勤務先によって異なるため、自身の収入見込みや働き方の希望を伝えながら、理想的な勤務計画を立てましょう。
年収の壁を理解して適切な就業調整を行おう!
年収の壁には、税金や社会保険、扶養制度などが複雑に関係しているため、自分に合った働き方を選ぶためには正しい知識が欠かせません。扶養内で負担を抑えながら働く方法もあれば、扶養を外れて収入アップを目指す方法もあります。大切なのは、制度の内容を理解した上で、自身の状況に合わせて適切に就業調整を行うことです。
年収管理やシフト調整に不安がある場合は、「シフト手帳byGMO」を活用し、収入状況や年収の壁を確認しながら計画的に働きましょう。日々のシフト管理と年収管理を両立し、無理のない働き方を目指して下さい!

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