Wi-Fi 6Eとは?対応スマホや他の規格との違いを解説!
2024.11.14
Wi-Fi 6Eとは、新たな周波数帯である6GHz帯に対応した高性能な通信規格です。Wi-Fi 6Eでは安定した高速通信が可能になるため、オンラインゲームや動画視聴、Web会議など、さまざまな場面で快適にインターネットを利用できます。
この記事ではWi-Fi 6Eの特徴やメリット、対応している機器、利用時の注意点を解説します。さらに、普段から快適な高速通信を使いたい人におすすめの方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧下さい!
- Wi-Fi 6Eとは
- 6GHz帯について
- - 2.4GHzの特徴
- - 5GHzの特徴
- Wi-Fi 6や他の規格との違い
- Wi-Fi 6Eのメリット
- - 混雑や電波干渉が少なく速度が速い
- - 通信の切断を防げる
- - 大容量のデータ通信も快適
- - セキュリティレベルが高い
- Wi-Fi 6Eに対応しているスマホ・機器
- - Wi-Fi 6E対応のiPhone・Mac・iPad
- - Wi-Fi 6E対応のAndroid機器
- - パソコンがWi-Fi 6Eに対応しているか調べる方法
- Wi-Fi 6Eを利用する注意点
- - 6GHz帯に対応した機器が必要
- - 障害物に弱い
- - 使い方によってはオーバースペックになる
- ルーターはメッシュWi-Fiが人気
- 高速Wi-Fiを無料で使うには
- 外で高速通信を使うならタウンWiFiがおすすめ
Wi-Fi 6Eとは
Wi-Fi 6Eは、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯に対応したWi-Fi規格です。Wi-Fiの通信規格は「Wi-Fi 5」や「Wi-Fi 6」など世代ごとに名称がつけられており、Wi-Fi 6EはWi-Fi 6の拡張版になります。
周波数帯が増えるとその分多くの信号をやりとりできるようになり、通信容量が増えます。そのためWi-Fi 6Eは、これまでの規格よりも高速で遅延が少ない点が大きなメリットです。
Wi-Fi 6の特徴については以下の記事で解説しているので、こちらも参考にして下さい。
WiFi6とは?意味ない?対応スマホや速度の違いをわかりやすく解説
6GHz帯について
Wi-Fiの6GHz帯は、日本では2022年に新たに追加されました。それまで最新だった5GHz帯が導入されたのは1999年であり、新しい帯域が追加されるのは約20年ぶりです。
6GHz帯の最大の特徴は、帯域幅が広く混雑が少ない点です。これにより、従来のWi-Fi規格よりもさらに安定した通信が可能になります。
6GHz帯が導入された背景には、通信量の急速な増加が挙げられます。近年、スマートフォンやパソコンだけでなく、ゲーム機、家電などさまざまなデバイスがネットワークに接続されるようになりました。その結果、従来の帯域だけでは通信が混雑するケースが増え、こうした状況に対応するために新しい帯域が求められるようになりました。
2.4GHzの特徴
以前から提供されているWi-Fiの帯域には、2.4GHzと5GHzがあります。
2.4GHz帯の特徴は「障害物には強いが、他の機器と干渉しやすい」点です。Wi-Fiルーターとデバイスの間に壁や床、家具などの障害物があっても、問題なく電波が届きます。しかし、2.4GHz帯は家電やBluetoothなども使用する帯域であるため、電波が干渉しやすく、通信が不安定になりやすいことがデメリットです。
5GHzの特徴
5GHz帯の特徴は「他の機器と干渉しにくいが、障害物には弱い」ことです。5GHz帯は家電など他の機器が使用しない帯域であるため、電波の干渉が少なく、安定した通信が可能になります。
一方で、壁や家具といった障害物の影響を受けやすい点には注意が必要です。Wi-Fiルーターの設置場所によっては、家の中で電波が届きにくいエリアが生じることがあります。
Wi-Fi 6や他の規格との違い
Wi-Fiにはいくつかの規格があります。2024年10月時点で使われているWi-Fiの規格の種類は、以下の表の通りです。
Wi-Fi 4 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 | |
リリース年 | 2009年 | 2013年 | 2019年 | 2020年 | 2024年 |
規格名 | IEEE802.11n | IEEE802.11ac | IEEE802.11ax | IEEE802.11ax | IEEE 802.11be |
最大通信速度 | 600Mbps | 6.9Gbps | 9.6Gbps | 9.6Gbps | 36Gbps |
周波数帯 | 2.4GHz帯 5GHz帯 | 5GHz帯 | 2.4GHz帯 5GHz帯 | 2.4GHz帯 5GHz帯 6GHz | 2.4GHz帯 5GHz帯 6GHz |
帯域幅 | 20MHz 40MHz | 20MHz 40MHz 80MHz 160MHz | 20MHz 40MHz 80MHz 160MHz | 20MHz 40MHz 80MHz 160MHz | 20MHz 40MHz 80MHz 160MHz 320MHz |
Wi-Fi 7は最新のWi-Fi規格で、最大通信速度が大幅に向上しています。ただし、ルーターの価格が比較的高く対応するデバイスも少ないため、気軽に導入することは難しいのが現状です。(2024年10月時点)
ただし、2024年9月に発売となったiPhone 16シリーズはWi-Fi 7に対応しています。そのため、今後は活用が広がっていくと考えられるでしょう。
Wi-Fi 6Eのメリット
Wi-Fi 6Eには次のようなメリットがあります。
- 混雑や電波干渉が少なく速度が速い
- 通信の切断を防げる
- 大容量のデータ通信も快適
- セキュリティレベルが高い
それぞれのメリットについて以下で解説します。
混雑や電波干渉が少なく速度が速い
Wi-Fi 6Eの特徴は、6GHz帯を使用することです。6GHz帯はWi-Fi 6Eのみで使用する帯域であり、通信の混雑や電波干渉が少なく速度が速いメリットがあります。これが、Wi-Fi 6との大きな違いです。
Wi-Fiの通信速度の遅さに、ストレスを感じたことがある人は多いのではないでしょうか。通信速度の速いWi-Fi 6Eなら、オンラインゲームやWeb会議などリアルタイム性が求められるツールも快適に利用できます。
通信の切断を防げる
従来のWi-Fi規格で使用される5GHz帯は、気象レーダーや航空レーダーなども利用する帯域です。
これらは非常に重要度が高い通信であるため、Wi-Fiルーターがレーダー波を検知すると、「DFS」という機能により自動的に一定時間通信が停止します。5GHz帯のデメリットには、DFSによる通信の切断が発生することが挙げられます。
一方、レーダー波が使用しない6GHzでは、DFSによる通信の切断は発生しません。通信が途切れず安定して利用できるのも、Wi-Fi 6Eの大きなメリットです。
大容量のデータ通信も快適
Wi-Fi 6Eでは、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯が利用可能になったことで、送受信に使える通信経路が2倍以上に増えました。これにより、大容量データの通信もより快適に行えます。
タイムラグも最小限に抑えられるため、オンラインゲームや大容量の動画のダウンロード、Web会議などもスムーズに行えます。これらのツールをよく使う人にとって、遅延によるストレスが減ることは大きな魅力といえるでしょう。
セキュリティレベルが高い
Wi-Fi 6Eは、セキュリティレベルが高いこともメリットの1つです。Wi-Fiにはセキュリティ規格が存在し、Wi-Fi 6Eでは「WPA3」への対応が必須となっています。WPA3はその前身であるWPA2の脆弱性を解消したもので、安全性の高い通信が可能です。
Wi-Fiのセキュリティが低いと通信データの盗聴などが発生するリスクがあるため、十分に注意しなければなりません。特に、業務に関するデータが流出すると甚大な被害に発展する恐れがあるため、仕事でインターネットを使う場合、セキュリティレベルは無視できないポイントです。
Wi-Fi 6Eに対応しているスマホ・機器
2024年9月時点では、Wi-Fi 6Eに対応しているスマホや機器は多くありません。対応機器でなければWi-Fi 6Eは利用できないため、まずは利用している端末がWi-Fi 6Eに対応しているかどうか確認しましょう。
ここではAppleおよびAndroid製品の中で、Wi-Fi 6Eに対応している機種を紹介します。
Wi-Fi 6E対応のiPhone・Mac・iPad
Apple製品の中でWi-Fi 6Eに対応しているのは、以下の端末です(2024年10月時点)。
- MacBook Air (15-inch, M3, 2024)
- MacBook Air (13-inch, M3, 2024)
- MacBook Pro (14-inch, Nov 2023)
- MacBook Pro (16-inch, Nov 2023)
- MacBook Pro (14-inch, 2023)
- MacBook Pro (16-inch, 2023)
- iMac (24-inch, 2023)
- Mac mini (2023)
- Mac Studio (2023)
- Mac Pro (2023)
- iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max
- iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
- iPad Pro 13 インチ (M4)
- iPad Pro 11 インチ (M4)
- iPad Air 13 インチ (M2)
- iPad Air 11 インチ (M2)
- iPad Pro 11 インチ (第 4 世代)
- iPad Pro 12.9 インチ (第 6 世代)
Wi-Fi 6E対応のAndroid機器
Android製品はメーカーや端末の種類が多岐にわたるため、ここでは一例を紹介します。Wi-Fi 6E対応のAndroid機器には、以下のようなものがあります。
- Google Pixel 8
- Zenfone 11 Ultra
- Xperia 1 V SO-51D
- AQUOS R8
- Galaxy Z Flip5 SC-54D など
利用中の端末がWi-Fi 6Eに対応しているかどうかは、メーカーやキャリアの公式サイトでご確認下さい。
パソコンがWi-Fi 6Eに対応しているか調べる方法
利用しているパソコンがWi-Fi 6Eに対応しているかどうかは、ネットワーク設定の画面から確認できます。Windowsの操作手順を以下に記載するのでご確認下さい。
Windows 10
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「Windowsの設定」を選択
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 「Wi-Fi」を選択
- 「ハードウェアのプロパティ」を選択
- 「プロトコル」の横に「802.11ax+HE」と表示されていればWi-Fi 6Eに対応
Macに関しては、前述の「Wi-Fi 6E対応のiPhone・Mac・iPad」に記載した端末であればWi-Fi 6Eに対応しています。
その他の機器については、公式サイトや取り扱い説明書を確認して下さい。
Wi-Fi 6Eを利用する注意点
Wi-Fi 6Eを利用する際には次のポイントに注意が必要です。
- 6GHz帯に対応した機器が必要
- 障害物に弱い
- 使い方によってはオーバースペックになる
上記3つの注意点について、以下で詳しく解説します。
6GHz帯に対応した機器が必要
Wi-Fi 6Eを利用するには、6GHz帯に対応したルーターと端末が必要です。例えばスマホが6GHz帯に対応していたとしても、自宅のWi-Fiルーターが対応していなければWi-Fi 6Eは利用できません。
まずは、使用している機器が6GHz帯に対応していることを確認しましょう。対応していない場合は、対応製品に買い替えなければWi-Fi 6Eを使えません。
障害物に弱い
Wi-Fiは、使用する周波数帯が高くなるほど障害物に弱くなる傾向があります。そのため、6GHz帯を使うWi-Fi 6Eは、壁や家具といった障害物の影響を受けやすい点に注意が必要です。Wi-Fiルーターと端末の間に障害物が多いと、通信が不安定になることがあります。
ただし、従来のWi-Fiと比べて極端に弱くなるわけではなく、障害物への強さとしては5GHz帯と同程度といえます。
使い方によってはオーバースペックになる
Wi-Fi 6Eは通信性能が非常に高いため、使い方によってはオーバースペックになるかもしれません。例えば「オンラインゲームをしない」「接続する端末数が少ない」「動画はあまり視聴しない」といったケースでは、従来のWi-Fi規格で十分対応できるでしょう。
特に、Wi-Fi 6Eのために機器の買い替えを検討している場合は、普段のWi-Fiの使い方を振り返って、本当にWi-Fi 6Eが必要なのか改めて考えることをおすすめします。
ルーターはメッシュWi-Fiが人気
Wi-Fi 6Eで使用する6GHz帯は障害物に弱いと紹介しましたが、広範囲に効率よくWi-Fiの電波を届ける方法としては「メッシュWi-Fiルーター」が人気です。メッシュWi-FiはWi-Fiルーターに複数の中継機を組み合わせる仕組みで、壁や床、家具があっても家の隅々まで電波を届けられます。
「2階や3階まで電波を届けたい」「特定の部屋だけWi-Fiの電波が弱い」といった場合は、メッシュWi-Fiの活用が有効です。
メッシュWi-Fi対応ルーターは、接続可能台数や通信可能範囲によって価格が異なります。数千円のものから10万円を超えるものまでありますが、1〜3万円程度の商品が多く見られます。
高速Wi-Fiを無料で使うには
引用元:App Store
Wi-Fi 6Eは従来の規格と比べると対応するルーターがまだ少なく、価格も比較的高めです。特にモバイルルーターでは、その種類の少なさや価格の高さがより顕著になります。使い方によってはWi-Fi 6Eがオーバースペックになることもあるため、外出先で高速通信を利用したい場合はWi-Fi 6E以外の選択肢も検討しましょう。
屋外でWi-Fiを使うには、モバイルルーターを契約する以外にフリーWi-Fiを活用する方法もあります。手軽にフリーWi-Fiを利用したい人には、高速かつ安全なフリーWi-Fiに自動で接続できる「タウンWiFiアプリ」がおすすめです。アプリが自動で認証してフリーWi-Fiにつながるため、Wi-Fiスポットを探したり手動で接続したりする手間がかかりません。
フリーWi-Fiの安全性について不安がある場合は以下の記事で詳しくしているので、ぜひこちらもご覧下さい。
フリーWiFiに危険性はある?安全なスポットの見つけ方も紹介
外で高速通信を使うならタウンWiFiがおすすめ
Wi-Fi 6Eは通信性能が高く、これからますます対応機器が普及すると考えられます。オンラインゲームなど通信品質を重視するツールを普段から利用している人は、Wi-Fi 6Eを活用してみてはいかがでしょうか。
一方で「Wi-Fi 6E対応の機器を持っていない」「従来のWi-Fi規格でも問題なく使えている」という人も多いでしょう。Wi-Fi 6E以外にも高速通信を利用する方法はあるため、Wi-Fi 6Eの利用を焦る必要はありません。
日常的に高速通信を使う方法の1つに、フリーWi-Fiの活用があります。タウンWiFiアプリを使えば高速かつ安全なフリーWi-Fiを手軽に使えるので、ぜひ以下のリンクからお試し下さい!
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